すべてのテストを自動化するのは困難ですが、同じ操作の繰り返しやデータパターンによる実行など、自動化しやすい部分は数多くあります。すべてを一度に自動化するのではなく、「動くとホッとする」重要な部分から、段階的に進めていくことが成功の鍵です。
本記事では、金融システムにおけるUIテストの重要性と、自動化できるポイント・難しいポイントを明らかにし、最適な導入ステップについて解説します。
UIテストとは、Webサイトやアプリケーションの表示画面が正しく機能しているかを確認するテストです。具体的には、ボタンやリンクが正常に動作するか、画面レイアウトに崩れがないか、フォーム入力が正しく動作するか、画面遷移がスムーズか、レスポンシブデザインが適切に動作するかなどを確認します。
どんなに優れた機能や性能を備えていても、画面がわかりづらかったり、操作しづらかったりするシステムでは、ユーザーに利用されることはありません。UIテストを行うことで、アクセシビリティやユーザビリティを向上させ、トラブルの防止につなげることができます。
手動でのUIテストでは、デザイン仕様やスタイルガイドを基に画面の見た目を確認しますが、人間の感覚に頼るため、微妙なズレや配色の違いを見落とすことがあります。特に、フォントサイズやマージン、色の濃淡などはブラウザやデバイスごとに異なって表示されるため、客観的な基準での評価が難しい点が課題です。
複数の画面や状態遷移を横断的にチェックする際、スクロール位置やポップアップ表示などの一時的なUI変化を見逃すこともあります。ユーザー体験に影響を与える細かな不具合がリリース後に発覚すると、ブランドイメージや顧客満足度を損なうリスクにつながります。
UIテストでは、クリック・ドラッグ・スワイプ・入力などの操作を繰り返し行う必要がありますが、手動では完全に同じタイミングや順序で再現することが難しく、テスト結果の一貫性が保てません。特にアニメーションや非同期通信を伴うUIでは、操作のタイミングがわずかに異なるだけで結果が変化することがあり、再現性の低さが問題となります。
テスト担当者の習熟度によって操作精度や確認速度が異なり、結果の信頼性が均一になりません。そのため、不具合の再現報告が曖昧になり、開発チームが修正に時間を要するケースも多く見られます。品質保証プロセス全体の効率が低下しかねません。
UIはアプリケーションの更新や仕様変更の影響を受けやすく、ボタン配置や画面構成が少し変わるだけでも再検証が必要になります。手動で全画面・全機能を繰り返し確認するのは非常に非効率であり、結果として一部の主要画面だけを重点的にテストし、他の部分が後回しになる傾向があります。
また、マルチデバイスや多言語対応を行っている場合、表示崩れや文字切れなどの問題を全パターンで確認することが現実的に困難です。更新のたびにUIの一貫性が損なわれる危険があり、ユーザーからの指摘で初めて問題が発覚することもあります。こうした検証漏れは、UXの低下や顧客離れにつながる深刻なリスクとなります。
特に大きな改修がない場合でも、プラットフォームのバージョンアップに伴ってUIテストを実施しなければなりません。また、特定のデバイスやブラウザだけでなく、幅広い利用環境を考慮した検証も重要です。ユーザーの利用環境を想定して網羅的にテストを行う必要があるため、単純な作業にも関わらず、多くの工数を必要とするのが現状です。
さらに、「見やすさ」「使いやすさ」「印象」といったUX要素の検証は、人の感覚に頼る部分も多く、自動化が難しいとされます。特にUXに関わる繊細な評価や、仕様変更が頻発する箇所では、手動テストを併用する柔軟な設計が必要です。
UIテストは、大きく手動テストと自動テストの2種類に分けられます。手動テストでは、エンジニアが実際にシステムやアプリケーションを操作し、機能や表示を確認します。一方、自動テストでは、テストツールを使用して自動的にテストを実行します。
テストの進め方は、一般的に以下の4ステップで行われます。
最初に、テストすべき項目や条件を定義し、テストケースを作成します。これにより、テスト対象が明確になり、無駄な確認作業を省くことができます。
実際に手動または自動でテストを実行します。自動テストの場合、事前に作成したスクリプトを用いて、ツールが自動でテストを行います。
テスト実行後、結果を確認し、不具合が発生した場合はその内容を報告します。自動テストでは、結果が自動的にレポートされるため、エラーの詳細を確認し、問題を修正する手順に進みます。
不具合や問題点が見つかった場合、それを修正し、再度テストを行います。このプロセスを繰り返すことで、システムのUIが正しく動作することを確認します。
UIテストを自動化することで、より多くの組み合わせやバリエーションによるテストを実行できる上、テストの精度向上・手間を削減することができるでしょう。
ただし、UIテストの自動化には注意したいポイントがあります。以下で詳しくご紹介します。
自動化テストでは、あらかじめ作成したシナリオに従ってテストが実行されるため、シナリオ外の予期しない動作や直感的に気づくべき問題(レイアウト崩れや操作感、見た目の不具合など)の検出が難しいという制約があります。このため、これらの検証には手動テストが適していると言えます。
また、頻繁に仕様が変更される機能や、単一の機能に限定された検証の場合、手動テストの方が効率的に進めることが可能です。
自動化ツールを導入する際には、その運用と保守も継続的に行う必要があります。特に、設定変更が頻繁に求められるツールや、高度なプログラミングスキルが必要なツール、またはアップデートが頻繁に行われるツールでは、メンテナンスが追いつかず、最終的に手動テストに戻すというケースも見受けられます。
そのため、自動化ツールを選定する際は、テスト対象のアプリケーションやテスト環境に適したものを選ぶことが重要です。さらに、ノーコードやローコード対応のツールも存在しており、これらのツールは運用や保守の負担を軽減できるため、選択肢として検討することをおすすめします。
「せっかくツールを導入するなら」と意気込んで、全てのテストを自動化するのも避けるべきです。テストケースを全て自動化してしまうと、変更のたびにスクリプトを修正しなくてはならず、多くの手間がかかります。また、手動なら単純な操作で確認できることも自動化することで、より時間がかかってしまうかもしれません。
まずは、「毎回実行する」「バグが多い」「品質保証が求められる」部分から優先して始めましょう。段階的に拡大していくことで、現場に最適な自動化環境を構築できます。
効率的なUIテスト自動化には、適切なツール選びが不可欠です。ローコードツールであれば、プログラミングの専門知識がなくても操作でき、短期間で成果を得やすくなります。しかし、自動化ツールを導入するだけで、すぐに効率化やコスト削減が実現できるわけではありません。自動化ツールを正しく理解し、適切な手順で導入を進めることが重要です。
まずは、動くとホッとする重要な部分から段階的に始めることで、効率化と品質向上の両立が見えてきます。

金融システムのUIテストは、画面数・分岐・権限・外部連携の影響でテストパターンが増えやすく、手動だけでは工数と見落としリスクが膨らみがちです。ATgoは、ローコードでUIテストを自動化し、セキュリティ要件が厳しい環境でも導入しやすいテスト自動化ツールです。
「全部を一気に自動化」ではなく、まずは“動くとホッとする”重要シナリオ(毎回実行する・不具合が出やすい・影響が大きい)からスモールスタートし、段階的に自動化範囲を広げる運用に向いています。
ATgoは、テスト支援に関する特許取得(特許第6830701号)や、継続率91.8%、工数削減88%といった実績が掲載されています。
※継続率は2020年1月1日〜2025年4月18日のライセンス契約実績に基づく数値(自社調べ)。工数削減等は導入プロジェクト実績の集計値として掲載されています。
ATgoは、インターネット非接続のクローズド環境でスムーズに導入・運用が可能なテスト自動化ツールです。UIテストとAPIテストに対応し、金融系システム開発で重視されるエビデンスや比較レポートの作成も自動化。
高精度な画面比較や生成AIによるテスト支援も搭載し、実装コスト・検証コストを大幅に軽減します。テスト自動化サポートプランもあり、導入初期から安心して自動化を進められます。
タップして拡大専門的なプログラミング知識は不要。
画面を操作するだけでテストスクリプトを自動生成する機能や、日本語でテスト手順を提案する機能を搭載。
初心者でも即戦力として自動化に取り組めるため、属人化を防ぎ、採用・教育コストを抑えます。
ATgoはインストール不要・インターネット接続不要で動作するため、セキュリティポリシーの厳しい環境でもスムーズに導入可能です。
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